どこから辿り着いたのかは忘れてしまったけれど、
インターネットでフラフラしていたら、
バイク乗り夫婦が経営するペンションが乗鞍にあった。
ペンションアリス。なんだかとてもいい感じがした。行ってみたくなった。
春になったら一番に行こうと思った。
掲示板に書き込んだら、数人の仲間が揃った。
よし、決行だ。みんなが集まれる場所が欲しかった。

お客は、ライダーばかりだった。
次から次に訪れるライダーたちを見ながら、
ここは、ライダー天国だと思った。
みんなに知って貰いたい。そんな気持ちで書きました。


ペンションアリス 
〒390-1512長野県松本市安曇4039-4
TEL 0263-93-2400 /FAX 0263-93-2744
http://www.icon.pref.nagano.jp/usr/alice/alice.html

●場所は、とても分かりやすい。関東方面からなら高速長野道を松本ICで降りて、R158で上高地方面に進む。どんどん進むと奈川渡ダムを通過する。狭く暗いトンネルを通り、やがて乗鞍方面左の看板が何度かある。トンネルとトンネルの間で左折をする。ここで、野麦峠方面と間違えないこと。その先が乗鞍方面。曲がって前川渡大橋を渡れば正解。そのままどんどん進む。大きなUターンの連続カーブを超えると番号の記された看板が次々に出てくる。その16番を右。遠慮なくどんどん進むみ(思ったより奥)、道がなくなったところを右の道へ。するとペンションアリスに到着する。簡単なので、まず迷わない。
待ち合わせは、松本ICを降りて、4キロほどR158を進むと左側にローソンがある。駐車場も広く待ち合わせには、ぴったりだ。

■集合は、遅めの13時。早く行ってラーメン食べよう。
土日を利用した1泊のツーリングだから、あまり無理せず行くことにした。一日目はともかくペンションアリスに到着するだけでいい。参加した人が顔を合わせて、ゆっくりご飯を食べて、飲めればいいのだ。(それが目的じゃん)それにしても、松本に13時の集合なら、2時間ほどで着いてしまうから、11時に出ればいい計算。ずいぶんノンビリである。一人ならそれでいいのだか、今回はなんと、なんとタンデムでのツーリングなのだ。たまたまこのペンションアリスで、4月一ヶ月間だけ、高速二人乗り解禁記念に、タンデムできた場合8000円の宿泊費が二人で10000円になるというキャンペーンをやっていた。そして、これまたたまたま、狛江の謎の主婦Wadaさんが、タンデムで行きたいと言い出した。Wadaさんは、つい最近中型免許を取り、HONDAのVTR250を買ったばかりだ。自分でバイクに乗っていくのは自信がない。乗せていってくれるならぜひ行きたいというわけだ。おお、人様の奥様をタンデムで連れ出しちゃっていいのだろうか。なんと罪作りな男なのだ私は、と思ったが本人はあっけらかんとしている。運転手ぐらいにし感じてない様子。とほほほ。タンデムで行っても高速が高くなるわけではない。激しく燃費が変わるわけでもない。それなのに宿泊費が3000円引きになる。これはタンデムしかないぞ、と言うわけで、ご一緒することになったのだ。(結局、安くなるからか・・・)
となるときちんと昼食時間も考え、もっともっと無理なく行かなくてはならない。ともかく人様の奥様だから、失礼があってはならないのだ。と言うわけで、WADAさんの最寄り駅に10時に迎えにあがることにした。何と紳士な事だろうか。
高速道路のタンデム、もちろん今まで禁止されていたのだからしたことはない。初めての体験だ。どれくらいのスピードが出せるのか、安定感はどうなのか全く分からない。それでも余裕を持っていけば、なんとかなるものだ。10時に出れば、12時過ぎには着けるだろう。待ち合わせの松本のローソンは、広い駐車場とローソンの隣がラーメン屋だという。あの漢、BUKUさんたちがいつも待ち合わせに使うところだ。なんだか人の縄張りを荒らすようで恐縮なのだが、BUKUさんなら「気にしない」だろう。そんなわけで、早めに着いてラーメンを食べるという計画を立てた(たいした計画ではない)。
時間通りに待ち合わせの駅について、程なくWadaさんもヘルメットを持って現れた。買ったばかりのShoeiだ。バイクに合わせてブルーのフルフェイス。かなり決まってる。後ろに乗っていただき、いよいよ出発。やはり少し緊張する。しかし走り出すと軽い体重のせいか、何も感じない。期待していた胸の膨らみを背中で感じることもなかった。残念。バイクは、順調に調布まで走り、中央高速へと道を進めた。

■高速タンデムツーリング。気が付いたこと。
高速に乗ってまず最初に感じるのは、バイク乗りにとって高速道路を二人乗りで走れることの喜びだ。これで、自由度が広がる。便利になる。いろいろな可能性が感じられる。いままで、二人乗りが禁止されていたなんて、考えられないくらい、乗って、走ってしまえば、快適なのだ。閉ざされた一人の世界から、コミュニケーションできる二人の世界になる。同じ経験、体験を共有できるのだ。二人乗り解禁バンザイである。しかし、この日は風がいくぶん強かった。一人の時は何でもないが、二人になると風の影響は大きくなる。とくに今回のように後ろに乗っていただいた方とベタベタできない間柄だと、余計に風が意地悪するのだ。Wadaさんは、シートの後方のタンデムグリップを握っているのだろう。私と身体は完全に離れ、どちらかと言えば、身体は起きている状態。これではやはり横風をまともにくらう。かといって、腕を腰に回して身体をぴったりひっつけて・・・などとは言えない。なんだかスケベオヤジと誤解されそうだ(実はスケベオヤジであることは間違いないのだが)。だから、その分スピードを抑える。100キロぐらいがせいぜいだ。それでも、危険は感じない。バイク自体は一人の時とあまり変わらない。風にさえ注意すれば、バイクのタンデムは、それ自体が危険と言うことはない。まあ、できれば、身体をピタリと付けても変に思われない関係の人と乗る方がいいことだけは確かです。・・・いないなあ。
そうしているうちにも諏訪湖を過ぎ、岡谷のジャンクションも過ぎ、松本に着いてしまう。待ち合わせ地点には40分も早く着いた。ふふふ、ラーメンで食べられるぞと駐車場を見ると、おお、もうみんな来てるじゃないか。今回の参加者は7名。2人は遅れてくるので、この待ち合わせでは5名が揃えばいい。もうすでに3人の姿が見える。こちら2名。つまり最後と言うことだ。みんな早い。

■今回の参加者
松本在住のtaroさん。別に頭が痛いわけではない。まあ、色男を気取っているのだろう。今回も別のツーリングに参加してから駆けつけてくれた。同じX4に乗っている。同じような体型をしている。X4体型とでも言っておこう。アリスには下見にまで来てくれた。この日も途中待っててくれたようだが、気が付かずに走ってきてしまった。
お馴染みharuちゃん。ドガ乗りで、このアリスの奥様もドガ乗り。それでどうしても来たかったと言って参加した。最初は女性1人でビビっていたが、もう1人女性が参加して、飲み始めたらビビったのは、男性の方だった。今回、ワインディングでずいぶんいい経験をしたと思う。行きと帰りでは、走りがまるで違っていた。
おっ、男前のはっちゃん。名古屋から参加してくれました。新年会では、途中で失礼しちゃって寂しかったけど、今回はフル参加。自分では、まだまだ初心者といっているものの、なかなか度胸よく走っています。アルコールのスピードもかなり速い。のむとさらに愉快な性格に変身します。
どうしても、丸い円の中に入れたくなっちゃう、ひげまるさん。ハーレーでのツーリングは、今回初めてご一緒しました。サングラスを掛けて、ハーレーに跨っていると、ちょっとそばには近づけません。でも、サングラスを外すと、優しい眼差しが現れます。飲みも豪快。かなり格好いいオヤジですなあ。
おもしろオヤジ、かずきさん。先日の滝桜オフで、帰り道を偶然ご一緒して、宇都宮で餃子を食べて、仲良くなりました。トライアンフに乗るカムバックライダー。腕は年季が入っていました。飲んで話すと、そのとぼけ具合がなんとも楽しい。おそらく泊まりのツーリングには欠かせない貴重なキャラクターです。
不思議主婦、WADAさん。実は中型免許取り立ててで、バイクもVTR250を買ったばかり。今回は長距離の自信がないと言うことで、タンデムで参加。高速道路タンデム解禁の恩恵に預かった第一号かも知れません。それでも、バイクの旅の楽しさを知っていただければ、大成功。帰る頃には、自分で走りたくなったと、仰っていました。次は、きっと走ってくるでしょう。
おほほほほ、これが私、植野純。まあ、毎度お馴染みの面構えです。今回のツーリングは、ひょいと行けて、バイクに理解がある宿探しのひとつでした。みんなで気軽に集まれる場所はないものかと、ネットを探していて見つけた「ペンションアリス」。ともかく来てみなければ分からないというわけで、1人でも来るつもりだったのが、みんな集まってくれた。ありがたい。ありがたい。

■めざせ、ペンションアリス
最後についた我々を、haruちゃん、はっちゃん、ひげまるさんは、笑顔で迎えてくれた。
「みんなそんなに早いとは思わなかったよー」と言い、
「ラーメン食べてきていい?」と図々しく言ったら、もちろんオッケーがでた。
「私たちは、ここで話しているから」とのことで、もともとバイク乗りはバイクの話が大好きだから、バイクの回りに置いておけば、自動的に何時間でもバイクの話をしている。よくもまあこれだけ話があると思うほど、次から次にバイクの話題が尽きない。それが自分のバイクの自慢話でないところが好きだ。何といっても自分のバイクが一番良いと思っているのだけど、人のバイクの話も聞きたがる。バイクはクルマよりずっと個性的だから、自分のバイク以外は、本当の感覚がいまいち分からないところがある。それを追求したいのと、少しでも自分のバイクが、様々な面で向上したい欲求とが不思議に入り乱れ、話が盛り上がるというわけだ。そんなわけで、最後に到着した我々も(決して遅れてきたわけじゃなく、30分も早く着いたのだが、)ゆっくりラーメンが食べられると言うわけだ。
それでも、そそくさとラーメンを食べて、早速出発となった。私のX-4、ひげまるさんのハーレー、はっちゃんのFZX、haruちゃんのドガと妙な取り合わせで、走り始めた。集合地点の松本から目的地までは、30キロほど。まあまあどんなにゆっくり走っても1時間弱のツーリングというわけだ。走り始めると、すぐに道は上りになる。それほどくねくねではなく、空いていれば、快適な走りが楽しめるのだが、奈川渡ダムを通り過ぎて、トンネルにはいると少し驚く。確かによくもまあこんな所にトンネルを掘ったものだと、大変ありがたいのだが、その暗いこと、狭いこと、道がでこぼこなことに、誰もが驚いてしまう。なんだか不気味で少し怖くもある。普通のヘッドライトでは、外の明るさから突然トンネルに入った瞬間は、何も見えないだろうと感じる。さすがにHIDの明るさは、近くのセンターラインだけは白く浮き立たせてくれる。それを頼りに目が慣れるほんの少しの間は走らなければならない。後で分かったことだが、この瞬間haruちゃんは、「死ぬほどビビった」そうだ。難所と言えばその程度で、トンネルの途中で左折して、大きな赤い橋「前川渡大橋」を渡れば、後は一直線で目的地だ。
ペンションアリスは、県道に沿って進み、16番の看板を右折と案内には書かれていたが、その16番の看板とはいかなるものなのかが分からなかった。その看板を見落とすと、まるでヒントがなくなるじゃないか、どこへ行けばいいのか分からなくなるじゃないかと、ほんの少し不安だったのだが、行ってみてそんな不安を感じる必要はなかったことが分かった。県道沿いに、これでもかっと言うほどの大きさと分かりやすさで看板が立っている。しかも1番から順に次々に看板が現れる。「1、2,3、4・・・」おいおい、はやく16になってくれよと言うくらいだ。「13、14、15
・・」いよいよだなっとおもうと16がなかなか出てこない。おっ、あったあった16番、そんなことで右折するとすぐに、小さな小屋がある建物が見える。taroさんが下見してくれたときに写してくれた写真と何となく似ていたので、フラリと入ってしまったら大間違い。「アリスはもっと先だ」と教えられた。何とかUターンをして、ほんの少し先まで行くと突き当たる感じになり、それをさらに行くと、ありました。まさに写真通りのペンションアリス。庭先にバイクを止めて、みんなニコニコでバイクを降りる。受付は3時からと書いてある。まだ2時50分。少し待つことにして、回りをキョロキョロ見渡している。おお、バイクが止まってる。BMW。かなり広い車庫の中にもバイクが見える。バイク好きのご夫婦のペンションだぞ、という雰囲気満点だ。

なんとかペンションアリスに到着。イメージ通りのペンションらしいペンションの風情だ。よく見ると随所にバイク乗りらしいアイテムがいっぱい。それだけでも楽しめる。
かなり大きめなガレージだ。早い者勝ちでここに駐輪できる。10台くらいは軽く入ってしまう。雨や霧など厳しい自然条件だから、こうした心遣いが嬉しい。もちろん宿泊者専用だ。我々は到着が早かったので、全員のバイクがガレージの中。

これが今日の宿泊場所、ミニログハウス「パンタ」だ。ご主人の手作りによるものだという。こんなものが作れてしまうこと自体凄い。何もできない自分には、ただただ感心するばかり。しかし、この中で飲むのは、まかせて欲しい。
これが、1階。広さは8畳ほどかなあ。簡単な炊事場も付いていてねなかなか便利。ここで男性5人が寝るつもりだったが、布団をひいてみて無理だと判明。私1人女性二人のはずのロフトにおじゃまして寝てしまった。もちろん悪いことはしていません。誓います。
ここが、ロフト。3人なら楽々寝られるスペースです。背の高いharuちゃんは立っているときは折れ曲がっていました。でも、快適そうな空間です。

■集まって、話して、飲む。これが目的。
別のツーリングに参加して、遅れてくるはずのtaroさん、かずきさんも無事到着して、7名全員が集合。なんだかすごく嬉しい気持ちになってしまう。このアリスには、やはり手作りの温泉があって、露天の岩風呂もあるという。早速かずきさん、ひげまるさんが挑戦。帰ってくるなり、熱すぎて入れないとか。もう一つの温泉に浸かってさっぱりしている。女性軍のharuちゃん、WADAさんも岩風呂に挑戦したらしいがやはり熱すぎて入れなかったとか。私自身は、風呂は食事の後にして、ロッジの食堂で夕食が始まった。我々のミニコテージは、アリスの入り口に位置しているので、コテージの前を宿泊客が必ず通り過ぎる。我々がへやでくつろいでる間中、ポツポツと入ってくるバイクの音が聞こえていた。10台、15台は入った感じだ。しかも、タンデムが圧倒的に多かった。やはりタンデム1万円が効いているのか、みんな中良さそうなカップルで登場していた。そんな宿泊客が、夕食時にはレストランで全員一緒になる。想像通りレストランは満席。グループあり、カップルありで賑やかで楽しそうな雰囲気だ。
まず、なんといってもビールで乾杯。このビールが実にうまい。この一杯のために走っていると言ってもいいほどだ。そろった7人が本当にいい顔になる。回りのテーブルより遙かに平均年齢は高いが、気持ちは若者たちに負けないバイク乗りだ。ビールの飲み方に関しては年季が入っているのだぞ。

ご機嫌なお二人。しかし何となく大人の雰囲気を醸し出している。かずきさんの話は、どこかとぼけていて面白い。ついつい笑いを誘う。 はっちゃん、taroさん、私。はっちゃんの話も面白い。口を開けば失敗談が飛び出す。バイクの失敗だけでなくいろいろな失敗を繰り返している憎めない人だ。
料理その1
魚のお料理で、何の魚だったかは不明。タルタルソースがたっぷりで、淡泊な味のお魚とよく合っていた。旅館ではなかなか味わえない贅沢か邸料理だ。
料理その2
お肉のお料理。豚肉をアルミホイルに包んで焼いてある。豚肉の食べ方としては理想的だ。野菜と一緒に蒸し焼きにするのはアジアの伝統で、インドネシアのジャングルの人たちも大きな葉っぱで野菜と豚肉を来るんで蒸し焼きにする。美味しかった。
haruちゃんとtaroさん、ひげまるさん。この時はまだまだ正常だったharuちゃん。この後壊れていきます。黙ってニコニコしていりゃ可愛いのに、ねぇ。 右側のへんてこりんな生物が、壊れたharuちゃん。なんでこうなるかは全く不明。この写真のためにお嫁に行けなくなっても知らない。カメラを向けるここうなったのは、完全に自己責任じゃ。

たっぷりの食事、たっぷりのお酒。そしてたっぷりの楽しい話で、夜はすぐに時間が過ぎる。酔っぱらうと写真を撮るのも忘れてしまう。ははは、ここから先は写真がありません。部屋に戻り、風呂に入ってから、またビールを飲み直し、持ち込んだ焼酎をそっと飲み、楽しい話だけは永遠に続いた。本当に少し前までは、全然知らない人同士だったのに、バイクが繋いでくれた新しい人間関係。こんな遠くのペンションの一室で語り合っている。人生の出会いは、本当に不思議だ。

■野麦峠を目指そう。目指したはいいけれど。
翌日は、このまま帰ってはあまりにもったいないと言うことで、野麦峠を登ってみようと言うことになった。あの女工哀史の野麦峠である。女工哀史、野麦峠と、何となくそんな話は知っていいるものの、この峠で何故そんな話があるのか正確には知らないのが普通だ。少しだけ正確に調べてみた。
明治30年代から40年代の始めにかけて、日清戦争後の下諏訪、岡谷は製糸の町として急激に発展していた。生糸の輸出が、日本の近代化、軍事化に欠かせない収入だったからだ。日露戦争後にはさらに発展し、近くの町、村からの働き手では不足するようになった。もともと農業収入しかない寒村の家族は、「口減らし」のために家族を出すことが必要だった。その求人が飛騨にまで及び、この野麦峠を越えて1000人もの女性が働くために峠を越えていったのだ。あの収穫から、厳しい冬の間を女工として働く。その後は、専門工として糸引きに専念する。「シンコ(新工)」と呼ばれて、初めて女工となるのが、12〜13歳。今なら中学一年の子供たちだ。正月が終わってすぐに飛騨から、雪の野麦峠を越えて諏訪湖畔まで徒歩で行く。その季節1600mの標高を超えるのは、今なら立派な冬山登山だ。ロープで互いの身体を縛りあい、雪の中を4日を掛けて歩いたという。そして、工場では一日16時間の労働を強いられ、働き続ける。「女工節」と言う歌が残っている。

野麦峠はダテには越さぬ
一つァ−身のため親のため
男軍人 女は工女
糸ひくのも 国のため

なんだか悲しい話ばかりだ。時代が違ってしまうと人間の暮らしは全く違ってしまう。明治時代、山村の娘に生まれてしまったばかりにそんな辛い目に遭わなければならなかったのかと思うと、本当に悲しくなってくる。しかし、いまの時代から見ているからこそ、そんな見方ができるだけで、その時代、その環境にいれば、その生き方しか選べなかったのだろうし、他の価値観も、選択肢もなかったのだと思う。悲しいけれど、すべての生物は環境と時代には逆らえない。将来、私たちの現在の生活も、とてもひどい条件で働かされていたなどと評されることもあるかも知れない。でも、そんな中でも力強く生きていきたい。心からそう感じるからこそ、女工哀史の話が私たちに勇気を与えてくれるのだと思う。
アリスのご夫婦から野麦峠までの道を聞き、記念写真のシャッターを押して貰って出発した。ひげまるさんのハーレーは、タンデム向きだとWADAさんを押しつけて、少し身軽になった。ひげまるさんは、どこか嬉しそうだったのは、私の勘違いかも知れない。

この方がアリスのママ。野麦峠へのコースを詳しく教えていただいた。効いているのはtaroさん。ちょっと不安。しかしこのままさん実はドガ乗り。見ているだけでは分からない。バイクに乗ると人が変わりそう。
こちらアリスのパパさん。実に優しそう。実際親切。来たお客さんのすべの人を写真を撮っていた。いずれ我々もアリスのHPに登場するかも。楽しみ。
はっちゃんとバイクの珍しいツーショット。はっちゃんのFZXは、復活版らしい。だからなおさら珍しい。実はこのバイク、私が大型試験の時にお世話になったバイク。何となく懐かしい。大事に乗ってね。
WADAさんがひげまるハーレーに跨りました。なかなかの迫力です。どこかヤクザっぽい雰囲気が似合っています。っていったら怒られそう。次は、自分のバイクで来てね。
記念撮影。アリスのパパさんが撮ってくれました。しかし、不思議な集まりだなあ。

野麦峠には、来た道を戻り、トンネルの入り口を過ぎたところで、右に入ってゆく。県道の39号線になる。なんだか心細い道で、本当にどこまでも続いているのか不安になるほどだ。平坦な道をしばらく走ると、急に峠道にさしかかる。走るには抵抗はないものの、整備が行き届いた道とは言えない。今日は、WADAさんをひげまるさんのハーレーに託したので、1人でスイスイ走れるのだが、6台のバイクの団体だから、わりと慎重に走る。先頭はtaroさんだ。すれ違うクルマの様子がなんだかおかしい。「ダメダメ」と言っているようだ。何がダメなのかは分からない。まあ、ひとまず行けるところまで行ってみることにした。道は、ぐいぐい上り、確かに厳しい峠道だ。明治時代はこんな道ではなく、もっと狭くて厳しい峠道だったのだろう。バイクでスイスイ登るなんて考えられなかっただろう。しばらく登ると頂上に着いた。レストハウスがあり、トイレの設備が整っている。しかし、・・・ここで行き止まり。道路が閉鎖されている。岐阜側には降りることができないのだ。マワリホ見渡せば、まだ2mほどの雪が積もっている。残念ながら、ここで引き返すしか手がないというわけだ。
しかし、誰も不平も不満もない。みんなで決めて走ってきたのだから、「ははは、しかたないね」と行った程度の乗りだ。しかし、さすがに高所なのだろう。ひんやり寒く、青空がやけに青い。こんな時でも記念写真を撮って楽しむのがバイク乗りだ。暢気、陽気、はっきり言うと馬鹿なのだろう。

ひげまるさんとWADAさん。なんだか似合っているなあ。この二人、さんクラスを掛けたままだと誰も近づかないと思う。まして、ハーレーがでかいので、白バイだって避けていきそうな雰囲気でした。
taroさんX-4。はでなジャケットのおかげで、遠くからでもすぐにtaroさんだと分かる。しかし、この辺りの雪にご注目。春はとっくに来ているのに2mは積もっていた。通行止めと言われても納得できた。
これが「ああ、野麦峠」の記念碑。急病になった妹を兄が担いで峠越えをする。しかし、この頂上付近で、「飛騨が見える・・・」とつぶやきながら亡くなってしまう。なんとも救いようがないお話。ハッピーエンドにして欲しかったよ。

■さて、いつものように帰路はバラバラ。
結局、野麦峠は越えられず、そのまま引き返し塩尻に出ることになった。来た道を途中まで引き返し19号に向かって右折する。この道は田舎の中を突き抜けるとても気持ちのいい道だった。田園風景の見本のような景観が続く。19号と合流し、先頭を走っていたひげまるさんにharuちゃんが道を示そうとしたその瞬間、haruちゃんのバイクが暴れ出した。右に左にリアが大きく振れて、あわや転けると思ったら、何とかバランスを戻した。長い足のおかげた。たぶん、前ブレーキが掛かったまま、アクセルが空いてしまったのだろう。危なかった。全員無事故でツーリングを終えることがツーリングの原点だ。たとえ立ちゴケでも、誰かが転けることは嬉しいことではない。最後にharuちゃん、よく持ちこたえてくれました。それにしても、今回のツーリングで、haruちゃんは、ずいぶんコーナリングが上手くなった。最初は、上半身ばかりを使って、バイクがなかなかリーンしなったけれど、ステップの足の踏み換えや、膝の上げ下ろしを教えたら、バイクが綺麗に寝るようになった。後ろから見ていて、「よしよし、そうそう」と教えた方も満足だった。ただ、ぶら下がっていた下半身が、バイクに体重を掛ける道具に変わった。ドガなら、まだまだ早いコーナリングが可能だ。また少し、バイクの面白さを感じたのではないだろうか。
19号は、淡々とした道で、我慢して走るだけだ。みんなで一列のまま、奈良井、洗馬と通過し、塩尻にはいる。塩尻インターのすぐ場の道の駅で、ちょうど昼となり、ここでみんなで昼飯を食べた。中央高速は、3時半を過ぎると小仏で渋滞が始まる。できれば、その前に小仏を抜けたい。となると2時には塩尻から乗りたい。昼飯を食べて、今回のツーリングは解散だ。またどこか行こうね、と約束して、それぞれがバラバラになる。WADAさんも私のバイクに戻り、昨日集まったままの状態になった。違っているのは、「ああ、来てよかった」と言う気持ちだ。また、きっとすぐに会える。バイクに乗り続けていれば、どこかの道で、「やあ」と出会えるのだ。